『法華経』は大乗経典のなかの代表的な経典で、昔から「諸経の王」と呼ばれて信奉されてきました。この本はこの『法華経』各品(章)の重要な文言やエピソードを選び、これに解釈をほどこしつつ味わう入門編です。
『法華経』は中国そして日本の仏教に強い影響をおよぼしました。漢訳は現在三種類伝えられていますが、もっとも有名なものは鳩摩羅什が訳した『妙法蓮華経』です。その漢文自体が名文で翻訳というより創作といってよいほどのすぐれた味わいがあります。『法華経』は日本仏教の根幹となった教典で、日本仏教の父とも呼ばれる聖徳太子の注釈書『法華経義疏』は有名です。
この本では全二十八品の重要な文言やエピソードを75か所選び、その書、読み方、書き下し、解説、註と盛り沢山の内容から構成されていて、充実しています。さらに厳島神社の国宝「平家納経」28巻の表紙と見返しの図版56点をカラーで紹介しています。美術的な視点からも『法華経』を楽しめます。