黄河中流の大平原に殷も周も栄え、三国志の英雄たちが大活躍した。
黄河の黄色い流れは太古と流路は変えながらも、人間の栄華や滅亡の歴史を映しとり流れ運び去っている。黄河文明を代表する殷墟の出土品をはじめ、壮大で濃密な造形性を誇る殷周青銅器。霊性が宿るとされる王器、世界に先駆けて高度な技術を完成させた漆器・陶磁器・染織美術の数々。新古の発見・発掘品を通じて東アジア美術の源流をたどる。躍動的な動物文装飾が美しい北方アジアの古代美術をあわせて収録する。1986年に四川省の三星堆から巨大な立人像や仮面が発掘され、世界を一驚させた。なかでも目が突出した巨大仮面は、この蜀の地に、異なった習俗をもつ古代文明が栄えていたことを明らかにした。こうした新発見の美術が中国古代文明史の大幅な見直しを迫っている。
●収録作品9600点以上。地球的規模の美術大全集。
各時代を代表する各品から未知の逸品まで、空前の収録点数を大系化。西洋編全28巻とあわせもつことで地球的な視野から美術史を見わたせます。
●世界中に及ぶ、2500か所以上の新規撮影を敢行。
アジア全域のほかフランスのルーブル美術館、ギメ美術館、ロシアのエルミタージュ美術館など、各国の美術館を取材。世界第一級の美術写真家による撮り下ろしです。
●発掘、修復など、各国の最新の研究成果を反映。
各国の遺跡、文化財調査団や研究者の活動にあわせて取材を展開。従来の学説を変える発見が続く中国など、アジア各国の発掘、修復の成果を迅速に反映させた内容。
●ジャンル別の美術全集にも匹敵する充実の内容。
仏像、陶磁器、絵画、書など各分野の美術全集を凌ぐ内容は、第一級の研究科です。アジアの名作のわかりやすい解説は、より深い海外旅行のガイドとして活用できます。
●最新の印刷技術を駆使。次世代への美のかけ橋。
印刷技術の粋を結集。崩壊の危機に瀕する多くの名作を再現。また、各国の最高の執筆陣による解説・論文を多数収録。
( )内は責任編集者です。
1 先史・殷・周 (高階秀爾/岡村秀典)
2 秦・漢 (曽布川 寛/谷 豊信)
3 三国・南北朝 (曽布川寛/岡田 健)
4 隋・唐 (百橋明穂/中野 徹)
5 五代・北宋・遼・西夏 (小川裕充/弓場紀知)
6 南宋・金 (嶋田英誠/中澤富士雄)
7 元 (海老根聰郎/西岡康宏)
8 明 (宮崎法子/西岡康宏)
9 清 (西上 実/中野 徹)
10 高句麗・百済・新羅・高麗 (菊竹淳一/吉田宏志・)
11 朝鮮王朝 (菊竹淳一/吉田宏志)
12 東南アジア (肥塚 隆)
13 インド(1) (肥塚 隆/宮治 昭・)
14 インド(2) (肥塚 隆/宮治 昭)
15 中央アジア (田辺勝美/前田耕作)
16 西アジア(田辺勝美/松島英子)
17 イスラーム(杉村 棟)