戦国中国を統一した秦帝国と漢の富と力を示す秘宝・名品を紹介。
戦国の中国を統一して帝位についたのは秦の始皇帝であった。不老不死を求めた始皇帝は臣下を日本にまでも派遣し、また、自分の墓の中に宮殿楼閣を築き、珍宝で満たしたという。1974年に始皇帝陵の外側から兵馬俑坑が発見され、現在確認されているものだけでも、兵士俑8000,馬俑500,戦車130余輌が出土した。同時に精密極まりない銅馬車2輌も発見されている。これらの文物の発掘は″世界の奇跡″と呼ばれたが、本巻では銅車馬をはじめとして、古代彫刻の優品や秦帝国の名品を多数紹介する。 漢代に入り、7代皇帝武帝の時代になると西方へのたび重なる遠征や交流が行われ、シルクロードからは異国情趣豊かな西域文物がもたらされた。とくに染織品のなかには後年、日本の正倉院や法隆寺に伝来した連珠文や獅子狩文で飾られた品々も見受けられ興味深い。 そのほか、馬王堆漢墓(湖南省)出土の漆工品や帛画(布に描かれた絵)、中山靖王劉勝墓(河北省)出土の金銀製品、同時期の西南中国の珍奇な文物を代表する南越王墓(広東省)、石■山遺跡(雲南省)出土物を鮮明カラーで紹介する。
●収録作品9600点以上。地球的規模の美術大全集。
各時代を代表する各品から未知の逸品まで、空前の収録点数を大系化。西洋編全28巻とあわせもつことで地球的な視野から美術史を見わたせます。
●世界中に及ぶ、2500か所以上の新規撮影を敢行。
アジア全域のほかフランスのルーブル美術館、ギメ美術館、ロシアのエルミタージュ美術館など、各国の美術館を取材。世界第一級の美術写真家による撮り下ろしです。
●発掘、修復など、各国の最新の研究成果を反映。
各国の遺跡、文化財調査団や研究者の活動にあわせて取材を展開。従来の学説を変える発見が続く中国など、アジア各国の発掘、修復の成果を迅速に反映させた内容。
●ジャンル別の美術全集にも匹敵する充実の内容。
仏像、陶磁器、絵画、書など各分野の美術全集を凌ぐ内容は、第一級の研究科です。アジアの名作のわかりやすい解説は、より深い海外旅行のガイドとして活用できます。
●最新の印刷技術を駆使。次世代への美のかけ橋。
印刷技術の粋を結集。崩壊の危機に瀕する多くの名作を再現。また、各国の最高の執筆陣による解説・論文を多数収録。
( )内は責任編集者です。
1 先史・殷・周 (高階秀爾/岡村秀典)
2 秦・漢 (曽布川 寛/谷 豊信)
3 三国・南北朝 (曽布川寛/岡田 健)
4 隋・唐 (百橋明穂/中野 徹)
5 五代・北宋・遼・西夏 (小川裕充/弓場紀知)
6 南宋・金 (嶋田英誠/中澤富士雄)
7 元 (海老根聰郎/西岡康宏)
8 明 (宮崎法子/西岡康宏)
9 清 (西上 実/中野 徹)
10 高句麗・百済・新羅・高麗 (菊竹淳一/吉田宏志・)
11 朝鮮王朝 (菊竹淳一/吉田宏志)
12 東南アジア (肥塚 隆)
13 インド(1) (肥塚 隆/宮治 昭・)
14 インド(2) (肥塚 隆/宮治 昭)
15 中央アジア (田辺勝美/前田耕作)
16 西アジア(田辺勝美/松島英子)
17 イスラーム(杉村 棟)