東西文明交流の道、シルクロードに花開いた各民族の多様な美術を紹介。
東西文明交流の道、シルクロード。中央アジアの美術は、このいくつもの道を舞台に興亡した、さまざまな民族の軌跡でもある。一つの道は仏像発祥の地ガンダーラをスタートし、大仏発祥地のバーミヤン(アフガニスタン)を越え、旧ソ連領中央アジアを通り、西域南道・北道を経、長安に達し、さらに奈良に至った仏教伝来の道であった。ここはまた、中国、唐代の名僧、玄奘三蔵が通った道でもあった。 また、一つの道は騎馬遊牧民族スキタイ、サルマタイ、匈奴(きょうど)が疾駆した草原の道であり、彼らは目も鮮やかな黄金美術を生んだ。さらに、交易の民ソグドの富豪達は、当時、黄金にも等しいといわれたラピスラズリをふんだんに使ったエキゾティックな壁画で邸宅を飾り、その文化の高さを今に伝える。 ロシア、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、パキスタン、インド、中国、新彊(しんきょう)ウイグル自治区と、地球の三分の一に渡る地域に7年、10次に及ぶ取材、撮影を敢行、鮮明カラーと最新の研究成果で編集された中央アジア美術の決定版!!
●収録作品9600点以上。地球的規模の美術大全集。
各時代を代表する各品から未知の逸品まで、空前の収録点数を大系化。西洋編全28巻とあわせもつことで地球的な視野から美術史を見わたせます。
●世界中に及ぶ、2500か所以上の新規撮影を敢行。
アジア全域のほかフランスのルーブル美術館、ギメ美術館、ロシアのエルミタージュ美術館など、各国の美術館を取材。世界第一級の美術写真家による撮り下ろしです。
●発掘、修復など、各国の最新の研究成果を反映。
各国の遺跡、文化財調査団や研究者の活動にあわせて取材を展開。従来の学説を変える発見が続く中国など、アジア各国の発掘、修復の成果を迅速に反映させた内容。
●ジャンル別の美術全集にも匹敵する充実の内容。
仏像、陶磁器、絵画、書など各分野の美術全集を凌ぐ内容は、第一級の研究科です。アジアの名作のわかりやすい解説は、より深い海外旅行のガイドとして活用できます。
●最新の印刷技術を駆使。次世代への美のかけ橋。
印刷技術の粋を結集。崩壊の危機に瀕する多くの名作を再現。また、各国の最高の執筆陣による解説・論文を多数収録。
( )内は責任編集者です。
1 先史・殷・周 (高階秀爾/岡村秀典)
2 秦・漢 (曽布川 寛/谷 豊信)
3 三国・南北朝 (曽布川寛/岡田 健)
4 隋・唐 (百橋明穂/中野 徹)
5 五代・北宋・遼・西夏 (小川裕充/弓場紀知)
6 南宋・金 (嶋田英誠/中澤富士雄)
7 元 (海老根聰郎/西岡康宏)
8 明 (宮崎法子/西岡康宏)
9 清 (西上 実/中野 徹)
10 高句麗・百済・新羅・高麗 (菊竹淳一/吉田宏志・)
11 朝鮮王朝 (菊竹淳一/吉田宏志)
12 東南アジア (肥塚 隆)
13 インド(1) (肥塚 隆/宮治 昭・)
14 インド(2) (肥塚 隆/宮治 昭)
15 中央アジア (田辺勝美/前田耕作)
16 西アジア(田辺勝美/松島英子)
17 イスラーム(杉村 棟)