シンプルで深遠なイスラーム美術の全貌を体系的に紹介する。
東は中央アジア、インドから、西はスペイン、北アフリカまで、広大な領域に広がるイスラーム世界。それは、風土のまったく異なるさまざまな地域に生きるさまざまな民族によって織りなされた多様性、複雑性と、イスラームという共通の価値観に基づく単一性を合わせもつ、めくるめくアラベスクである。本巻では、そのようなシンプルで複雑なイスラームの世界が生み出した美術の全貌を網羅するため、中近東・北アフリカ諸国を中心に幾多の現地取材を敢行。メトロポリタン美術館(米国)、ベルリン国立博物館、大英博物館、エルミタージュ博物館(ロシア)等の欧米諸国の博物館のみならず、トプカプ宮殿博物館(トルコ)、イラン・バスタン博物館、シリア国立博物館、クウェート国立博物館等が所蔵する工芸品、細密画などの名品の数々の貴重な影像や、スペイン、イラク、イラン、モロッコ、チュニジア、シリア、エジプト、トルコ等の各地に散在する華麗で荘厳なイスラーム建築の最新映像を含む豊富なカラー図版を収録。近年、進境の著しいイスラーム美術研究の成果をふんだんに取り入れた解説で、体系的かる平易に紹介する。
●収録作品9600点以上。地球的規模の美術大全集。
各時代を代表する各品から未知の逸品まで、空前の収録点数を大系化。西洋編全28巻とあわせもつことで地球的な視野から美術史を見わたせます。
●世界中に及ぶ、2500か所以上の新規撮影を敢行。
アジア全域のほかフランスのルーブル美術館、ギメ美術館、ロシアのエルミタージュ美術館など、各国の美術館を取材。世界第一級の美術写真家による撮り下ろしです。
●発掘、修復など、各国の最新の研究成果を反映。
各国の遺跡、文化財調査団や研究者の活動にあわせて取材を展開。従来の学説を変える発見が続く中国など、アジア各国の発掘、修復の成果を迅速に反映させた内容。
●ジャンル別の美術全集にも匹敵する充実の内容。
仏像、陶磁器、絵画、書など各分野の美術全集を凌ぐ内容は、第一級の研究科です。アジアの名作のわかりやすい解説は、より深い海外旅行のガイドとして活用できます。
●最新の印刷技術を駆使。次世代への美のかけ橋。
印刷技術の粋を結集。崩壊の危機に瀕する多くの名作を再現。また、各国の最高の執筆陣による解説・論文を多数収録。
( )内は責任編集者です。
1 先史・殷・周 (高階秀爾/岡村秀典)
2 秦・漢 (曽布川 寛/谷 豊信)
3 三国・南北朝 (曽布川寛/岡田 健)
4 隋・唐 (百橋明穂/中野 徹)
5 五代・北宋・遼・西夏 (小川裕充/弓場紀知)
6 南宋・金 (嶋田英誠/中澤富士雄)
7 元 (海老根聰郎/西岡康宏)
8 明 (宮崎法子/西岡康宏)
9 清 (西上 実/中野 徹)
10 高句麗・百済・新羅・高麗 (菊竹淳一/吉田宏志・)
11 朝鮮王朝 (菊竹淳一/吉田宏志)
12 東南アジア (肥塚 隆)
13 インド(1) (肥塚 隆/宮治 昭・)
14 インド(2) (肥塚 隆/宮治 昭)
15 中央アジア (田辺勝美/前田耕作)
16 西アジア(田辺勝美/松島英子)
17 イスラーム(杉村 棟)