書かれた当時の訓みを再現する訓み下し文、最新の歴史注、現代語対訳
記紀の名で『古事記』と並び称される『日本書紀』は、天皇の命で編まれた日本国史の第1号。最新の発掘成果が『日本書紀』の記述を次々と裏づけて、模糊とした古代史像がより鮮明になりつつあることは連日の報道にも明らかです。古来、『魏志倭人伝』に名高い耶馬台国が、正統の国史に見当たらぬ不思議など、『日本書紀』の成立に関わる政治的意図が論議されてきました。勝者が自己の正当性を主張し、権力の永続をはかるためにつくる性格を色濃くもつ歴史書の常からも、ありそうな話です。ともあれ、神話時代から始まる『日本書紀』も、三分冊目の本書では、成立年時(720年)を遡ること約100年前の推古女帝の死去(628年)に始まり、持統女帝の譲位(697年)に筆をおく約70年間、つまり当時の現代史に匹敵する出来事を扱います。実にこの間に、朝鮮半島では百済が滅亡し、日本への緊張が高まるなか、蘇我氏の専横と大化の改新による中大兄皇子(後の天智天皇)のクーデター。その子大友皇子と大海人皇子(後の天武天皇)の天下分け目の壬申の乱など生き生きと描かれます。
<シリーズ説明>第一期48巻には、日本を代表する古典、日本人としてぜひ読んでおきたいベーシックでポピュラーな作品を収録。上段に頭注、中段に原文、下段に現代語訳と同一ページにすべてを配した読みやすい3段組みです。注番号や見出し、有職図版、鑑賞注などは見やすい色刷りに。原文は最良の底本を使用、校注者には最高の執筆陣を動員。なめらかな現代語訳、現在通行の字体で表記した原文、わかりやすく、しかも原文の感動が伝わります。巻末には、作品の成立や時代背景などを解説、さらに地図・系図・年表索引なども充実させました。( )内は校注・訳者。第二期40巻には、中古、中世、近世にわたり、日本人としてぜひ読んでおきたい珠玉の名作をバランスよく選びました。長い歳月を読み継がれてきた文学作品の魅力を余すところなくお届けします。いまいちばん新しく、いちばん読みやすい古典文学全集であると同時に、あなたの、そして次世代への価値ある知的財産でもあります。上段に頭注、中段に原文、下段に現代語訳と同一ページにすべてを配した読みやすい3段組です。注番号や見出し、有職図版、鑑賞法などは見やすい色刷りに。原文は最良の低本を使用、校注者には最高の執筆陣を動員。なめらかな現代語訳、現在通行の字体で表記した原文、わかりやすく、しかも原文の感動が伝わります。巻末には、作品の成立や時代背景などを解説、さらに地図・系図・年表・索引なども充実させました。()内は校注・訳者。未刊分は予価。★うつほ物語@(中野幸一)ISBN658014◆うつほ物語AISBN658015◆うつほ物語B★落窪物語・堤中納言(三谷栄一・三谷邦明・稲賀敬一)ISBN658017★和漢朗詠集(菅野禮行)ISBN658019★浜松中納言物語(池田利夫)ISBN658027◎狭衣物語@(小町谷照彦・後藤祥子)ISBN658029◆今昔物語集@(馬淵和夫・国東文麿・稲垣泰一)ISBN658035◆今昔物語集AISBN658036◆今昔物語集B◆今昔物語集C★住吉物語・とりかへばや物語(三角洋一・石埜敬子)◎松浦宮物語・無名草子(樋口芳麻呂・久保木哲夫)ISBN658040◆将門記・陸奥話記・保元物語・平治物語(矢代和夫・柳瀬喜代志・松林靖明・信太 周・犬井善濤)★神楽歌・催馬楽・梁塵秘抄・閑吟集(臼田甚五郎・新間進一・外村南都子・徳江元正)ISBN658042◆建礼門院右京大夫集・とわずがたり(久保田淳)ISBN658047