最も信頼できる本文(原文・訓み下し文)、注、訳が見開きページ。二色刷
「言霊(ことだま)ってなあに?」 突然、娘に聞かれて弱ったという声を耳にしました。事の起こりは、サザン・オールスターズのヒット曲「愛の言霊」にあるようです。そこで一言。 『大辞泉』には、古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。発した言葉どおりの結果を現わす力があるとされた。と解説され、次に「ことだまのさきわうくに」つまり「言葉の霊力が幸福をもたらす国。日本のこと」の用例が引かれます。これが『万葉集』巻五、894番の、あの貧窮問答歌で名高い山上憶良の長歌なのです。本全集本より引けば、 神代(かみよ)より 言ひ伝(つ)て来(く)らく そらみつ 大和(やまと)の国は 皇神(すめかみ)の 厳(いつ く)しき国 言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ国と 語り継ぎ 言ひ継がひけり…… (神代以来 言い伝えられたことですが そらみつ大和の国は 国つ神の威徳のいかめしい国 言霊の 助ける国だと 語り継ぎ 言い継いできました……) そう言えば、中島みゆきも、札幌の藤女子大では『万葉集』を勉強したとか。時代の先端に大和言葉が突然、復活するのは、やはり言葉の生命力のなせるワザでしょうか。 新発見の成果も取り入れ今日、最も信頼できる本文を提供することができました。
<シリーズ説明>第一期48巻には、日本を代表する古典、日本人としてぜひ読んでおきたいベーシックでポピュラーな作品を収録。上段に頭注、中段に原文、下段に現代語訳と同一ページにすべてを配した読みやすい3段組みです。注番号や見出し、有職図版、鑑賞注などは見やすい色刷りに。原文は最良の底本を使用、校注者には最高の執筆陣を動員。なめらかな現代語訳、現在通行の字体で表記した原文、わかりやすく、しかも原文の感動が伝わります。巻末には、作品の成立や時代背景などを解説、さらに地図・系図・年表索引なども充実させました。( )内は校注・訳者。第二期40巻には、中古、中世、近世にわたり、日本人としてぜひ読んでおきたい珠玉の名作をバランスよく選びました。長い歳月を読み継がれてきた文学作品の魅力を余すところなくお届けします。いまいちばん新しく、いちばん読みやすい古典文学全集であると同時に、あなたの、そして次世代への価値ある知的財産でもあります。上段に頭注、中段に原文、下段に現代語訳と同一ページにすべてを配した読みやすい3段組です。注番号や見出し、有職図版、鑑賞法などは見やすい色刷りに。原文は最良の低本を使用、校注者には最高の執筆陣を動員。なめらかな現代語訳、現在通行の字体で表記した原文、わかりやすく、しかも原文の感動が伝わります。巻末には、作品の成立や時代背景などを解説、さらに地図・系図・年表・索引なども充実させました。()内は校注・訳者。未刊分は予価。★うつほ物語@(中野幸一)ISBN658014◆うつほ物語AISBN658015◆うつほ物語B★落窪物語・堤中納言(三谷栄一・三谷邦明・稲賀敬一)ISBN658017★和漢朗詠集(菅野禮行)ISBN658019★浜松中納言物語(池田利夫)ISBN658027◎狭衣物語@(小町谷照彦・後藤祥子)ISBN658029◆今昔物語集@(馬淵和夫・国東文麿・稲垣泰一)ISBN658035◆今昔物語集AISBN658036◆今昔物語集B◆今昔物語集C★住吉物語・とりかへばや物語(三角洋一・石埜敬子)◎松浦宮物語・無名草子(樋口芳麻呂・久保木哲夫)ISBN658040◆将門記・陸奥話記・保元物語・平治物語(矢代和夫・柳瀬喜代志・松林靖明・信太 周・犬井善濤)★神楽歌・催馬楽・梁塵秘抄・閑吟集(臼田甚五郎・新間進一・外村南都子・徳江元正)ISBN658042◆建礼門院右京大夫集・とわずがたり(久保田淳)ISBN658047