わが国現存最古の長編物語。頭注・現代語訳がついて誰にでも読める。
『うつほ物語』の名は、『源氏物語』に先行する、わが国現存最古の長編物語として、つとに知られていたが、実際にはあまり読まれてはいなかった。研究の進んだ『源氏』に比べ、質のよい原本が少なく、また注釈書もあまり出ていなかったためで、その文学的価値は、決して『源氏』に劣るものではない。今回、最良の善本であるといわれる、「前田家本」を底本にして、『うつほ』に関する研究では第一人者といわれる中野幸一氏により、初めて一般の人にも読める注釈本として発刊することになった。『うつほ物語』は、異界漂流と秘琴伝授という伝奇的な幕開けで始まる。俊蔭―その娘―その子仲忠という、3代にわたる琴の伝授という流れと、あて宮という絶世の美女への求婚物語の、二つの筋が緊密にからみあい、物語を織りなしていく。第1巻には、「俊蔭」「藤原の君」「忠こそ」「春日詣」「嵯峨の院」「吹上上」「祭の使」「吹上下」の8巻を収録。第2巻には「菊の宴」から「蔵開下」まで、第3巻には「国譲上」から「楼上 下」までを収録して全3冊。同一ページに、原文・頭注・現代語訳がはいり、誰でも、この日本古典文学の傑作を、原文で読むことができます。
<シリーズ説明>第一期48巻には、日本を代表する古典、日本人としてぜひ読んでおきたいベーシックでポピュラーな作品を収録。上段に頭注、中段に原文、下段に現代語訳と同一ページにすべてを配した読みやすい3段組みです。注番号や見出し、有職図版、鑑賞注などは見やすい色刷りに。原文は最良の底本を使用、校注者には最高の執筆陣を動員。なめらかな現代語訳、現在通行の字体で表記した原文、わかりやすく、しかも原文の感動が伝わります。巻末には、作品の成立や時代背景などを解説、さらに地図・系図・年表索引なども充実させました。( )内は校注・訳者。第二期40巻には、中古、中世、近世にわたり、日本人としてぜひ読んでおきたい珠玉の名作をバランスよく選びました。長い歳月を読み継がれてきた文学作品の魅力を余すところなくお届けします。いまいちばん新しく、いちばん読みやすい古典文学全集であると同時に、あなたの、そして次世代への価値ある知的財産でもあります。上段に頭注、中段に原文、下段に現代語訳と同一ページにすべてを配した読みやすい3段組です。注番号や見出し、有職図版、鑑賞法などは見やすい色刷りに。原文は最良の低本を使用、校注者には最高の執筆陣を動員。なめらかな現代語訳、現在通行の字体で表記した原文、わかりやすく、しかも原文の感動が伝わります。巻末には、作品の成立や時代背景などを解説、さらに地図・系図・年表・索引なども充実させました。()内は校注・訳者。未刊分は予価。★うつほ物語@(中野幸一)ISBN658014◆うつほ物語AISBN658015◆うつほ物語B★落窪物語・堤中納言(三谷栄一・三谷邦明・稲賀敬一)ISBN658017★和漢朗詠集(菅野禮行)ISBN658019★浜松中納言物語(池田利夫)ISBN658027◎狭衣物語@(小町谷照彦・後藤祥子)ISBN658029◆今昔物語集@(馬淵和夫・国東文麿・稲垣泰一)ISBN658035◆今昔物語集AISBN658036◆今昔物語集B◆今昔物語集C★住吉物語・とりかへばや物語(三角洋一・石埜敬子)◎松浦宮物語・無名草子(樋口芳麻呂・久保木哲夫)ISBN658040◆将門記・陸奥話記・保元物語・平治物語(矢代和夫・柳瀬喜代志・松林靖明・信太 周・犬井善濤)★神楽歌・催馬楽・梁塵秘抄・閑吟集(臼田甚五郎・新間進一・外村南都子・徳江元正)ISBN658042◆建礼門院右京大夫集・とわずがたり(久保田淳)ISBN658047