中村幸彦・高田 衛・中村博保/著 10月19日発売/4,800円(税込)菊判/648頁 古事記・日本書紀・万葉集の上代から、源氏物語など女流文学で有名な平安時代、方丈記や徒然草などの中世、さらには、芭蕉・西鶴・近松までの近世。千年以上もの時代を超えて生き続けてきた古典文学の代表的作品を八十八巻にまとめたのが、この全集です。完結は西暦2001年、まさに二十世紀最後最大の「日本古典文学全集」といえましょう。しかも、現代語の全訳が原文・注と同一ページにある三段組方式で二色刷り、図版入りですから、見やすさ、読みやすさは抜群。どなたにでも楽しんでいただけます。 ところで、古典というと、なぜか平安時代が中心になり、江戸時代は芭蕉・近松・西鶴どまりでした。しかし、江戸期にも、さまざまなジャンルの作品があります。 本書は、各誌が中国の白話小説を翻案した作品が主ですから、いわば硬派の部類に属します。しかし、たとえば雨月物語、「白峯」の崇徳新院の凄じい怨念、「菊花の約」の男と男の命がけの誓約、「浅茅が宿」の女の貞節、「吉備津の釜」の身も凍る恐怖、「蛇性の婬」の愛欲の執念、春雨物語の“青の洞門”に材をとった「捨石丸」、水滸伝を下敷きにして実に巧みに野性の男の人間的成長を描ききった「■■」など、読み始めたらやめられない作品ばかりです。 ぜひ一度気軽に手に取ってみていただきたいものです。
<シリーズ説明>第一期48巻には、日本を代表する古典、日本人としてぜひ読んでおきたいベーシックでポピュラーな作品を収録。上段に頭注、中段に原文、下段に現代語訳と同一ページにすべてを配した読みやすい3段組みです。注番号や見出し、有職図版、鑑賞注などは見やすい色刷りに。原文は最良の底本を使用、校注者には最高の執筆陣を動員。なめらかな現代語訳、現在通行の字体で表記した原文、わかりやすく、しかも原文の感動が伝わります。巻末には、作品の成立や時代背景などを解説、さらに地図・系図・年表索引なども充実させました。( )内は校注・訳者。第二期40巻には、中古、中世、近世にわたり、日本人としてぜひ読んでおきたい珠玉の名作をバランスよく選びました。長い歳月を読み継がれてきた文学作品の魅力を余すところなくお届けします。いまいちばん新しく、いちばん読みやすい古典文学全集であると同時に、あなたの、そして次世代への価値ある知的財産でもあります。上段に頭注、中段に原文、下段に現代語訳と同一ページにすべてを配した読みやすい3段組です。注番号や見出し、有職図版、鑑賞法などは見やすい色刷りに。原文は最良の低本を使用、校注者には最高の執筆陣を動員。なめらかな現代語訳、現在通行の字体で表記した原文、わかりやすく、しかも原文の感動が伝わります。巻末には、作品の成立や時代背景などを解説、さらに地図・系図・年表・索引なども充実させました。()内は校注・訳者。未刊分は予価。★うつほ物語@(中野幸一)ISBN658014◆うつほ物語AISBN658015◆うつほ物語B★落窪物語・堤中納言(三谷栄一・三谷邦明・稲賀敬一)ISBN658017★和漢朗詠集(菅野禮行)ISBN658019★浜松中納言物語(池田利夫)ISBN658027◎狭衣物語@(小町谷照彦・後藤祥子)ISBN658029◆今昔物語集@(馬淵和夫・国東文麿・稲垣泰一)ISBN658035◆今昔物語集AISBN658036◆今昔物語集B◆今昔物語集C★住吉物語・とりかへばや物語(三角洋一・石埜敬子)◎松浦宮物語・無名草子(樋口芳麻呂・久保木哲夫)ISBN658040◆将門記・陸奥話記・保元物語・平治物語(矢代和夫・柳瀬喜代志・松林靖明・信太 周・犬井善濤)★神楽歌・催馬楽・梁塵秘抄・閑吟集(臼田甚五郎・新間進一・外村南都子・徳江元正)ISBN658042◆建礼門院右京大夫集・とわずがたり(久保田淳)ISBN658047