芸術作品に込められた人間の情念や権力者たちの理想や怨恨に迫る!
著者は『美と宗教の発見』以来、つねに芸術を宗教との関わりにおいて考察してきた。本巻収載の「人間の美術」では宗教に加えて芸術作品と政治との関係という視点を導入することによって芸術作品を創り出した生々しい人間の情念、あるいは芸術作品に込められた権力者たちの理想や怨恨を明らかにする。 また「写楽 仮名の悲劇」は、謎につつまれた画家・写楽の正体を、ユニークな着想と緻密な実証で推理する話題作。
あふれる情熱と豊かな想像力で真理を探究し、人間とは何か、日本とは何かを深く思索つづけてきた梅原猛。哲学、歴史、文学、宗教、芸術など既存の枠組を越える壮大でユニークな作品群は「梅原日本学」とも称され、多くの読者を獲得してきました。本著作集では、主要著作に、新たに書き下ろし作品「法然の哀しみ」を加え、「教育問題」「地球環境問題」「長江文明論」など、著者が全力で取り組んでいる最新のテーマ作品も網羅。