行動する哲学者の思想遍歴と日常を余すところなく語る。決定版年譜付き。
著者は、自らの人生を“ディオニソスの神に魅せられた人生であった”と述懐する。ディオニソスの神とは、ニーチェが愛した、陶酔的・創造的衝動を象徴するギリシア神話の神である。数学少年から一転して文学青年へ。大学では西洋哲学を専攻するが、既成の研究方法にあきたらず日本研究を志し、仏教、芸術、古代史研究から日本の基層文化研究へ。一方、戯曲・小説にも意欲を燃やす。まさにディオニソス精神の遍歴の軌跡と日常を余すところなく語る。巻末に決定版「梅原猛年譜」付き。
あふれる情熱と豊かな想像力で真理を探究し、人間とは何か、日本とは何かを深く思索つづけてきた梅原猛。哲学、歴史、文学、宗教、芸術など既存の枠組を越える壮大でユニークな作品群は「梅原日本学」とも称され、多くの読者を獲得してきました。本著作集では、主要著作に、新たに書き下ろし作品「法然の哀しみ」を加え、「教育問題」「地球環境問題」「長江文明論」など、著者が全力で取り組んでいる最新のテーマ作品も網羅。