帰郷をテーマにした懐かしさあふれる物語
今、若い感性豊かな女性写真家の活躍が目立つ。その作品の多くは写真家を取り巻く身近な情景を、モノローグのように声を落とし、見る者を引き込むものが多い。本書も、場所は特定されていないが、ある地方の出身で都会に出て働いている若い女性が故郷に帰り、家族と短い休暇を過ごしてまた都会に戻って来るというストーリー。物語は単純だが、写真には「なつかしさ」が満ちあふれている。所々に挟み込まれるコピーは、誰もが持っている故郷への思いや、親に対する気持ちを喚起させる役割を持ち、しみじみとした感動をもたらす。故郷回帰、和風ブーム、昭和レトロなどの要素を含んだ新しい写真表現が楽しめる。