天国にいる娘へ父からの8通の手紙で綴る、感動の話題作。
四季おりおりの風に運ばれて届く、天国の娘への、父からの美しくも悲しい手紙。人気漫画家が自ら撮った写真が心に染み入ります。
『本を通して、親の愛情や希望、願いなどを子どもに伝えていくことも、とても大切なことだと思うようになりました』……読み聞かせお話雑誌・月刊『おひさま』誌上での最終回掲載後、読者からこんな手紙が寄せられました。
娘を幼くして失った父親が、別離からの13年間の生活や心情の変化を、天国の娘にあてた8通の手紙に綴っていく物語。チョウの研究、知り合った人たちとの触れ合いなどを通して、深い悲しみを乗り越えていく父親の姿が、北海道の美しい風景の写真を背景に、しみじみと描かれます。
北見市在住の民間の蝶の研究家がモデルとなって生まれたこの作品は、子ども向けの雑誌に発表される作品としては、かなりの異色作ですが、連載中から熱烈な手紙が続々寄せられ、読者の間に新しい読み聞かせのスタイルを確立しました。
親子でいっしょに読み、考えることのできる本というのはそうあるものではありません。子に対する愛情の深さや命の大切さ、不思議さといった、大切だけど伝えられないことを、親が子供に伝えていくツールとしての本の在り方……いじめや幼児虐待など、子どもをめぐる諸問題が山積みの現代にこそ必要とされる一冊です。