拙著『般若心経入門』を世に送り出したのは、昭和47年のことで、当時私は65歳でした。その後も、心経について話したり書いたりする機会にめぐまれて、さらに学びの縁を重ねることができましたが、私もだんだんと齢を取っていくので、ぜひとも健康なうちに、私の終生の記念碑として、もう一度初心に戻って心経を学びたいと念願しました。そうしてまとまったのが本書です。したがって、これは65歳の『入門』書から、84歳の今日まで、ほぼ20年間にわたる私の心経行脚の足跡でもあります。（著者のことばより）