横浜市立大学名誉教授 伊藤隆二氏推薦
「希望の書」であり、卓越した入門書である。
真理と慈悲、救済の教えを求めて私がたどりついた「日蓮への旅」
文字どおり「希望の書」 横浜市立大学名誉教授 教育学博士(東京大学)伊藤隆二
「日蓮」の解説書は多いが、この本は卓越した入門書です。新しい世紀に入り、誰しもが平和で幸福な人生を願っていますが、この本に書かれていることを実践していけば、その願いが叶えられ「希望の世紀」が拓かれます。
著者の熊谷一乗教授は、わが国を代表する教育社会学の権威で、その学問と人徳において多くの人から尊敬されています。その円満な人格と豊かな思想の形成の礎に「日蓮」の教えがあったことが、この本から読み取れます。今日の昏迷と不安の時代を、精神の光の輝く「希望の世紀」に転換させる「日蓮」の教えを正しく学ぶことのできるこの本は、文字どおり「希望の書」と言えます。
私は「日蓮の旅」へ出発するにあたって、現代の社会に広がる不安と心の危機をどう乗り越えればよいのだろうか、という問題を設けました。この問題を解決するための知恵を探し出そう、というのが日蓮への旅の目的でした。むずかしい問題なので容易に理解できるとは思いませんが、日蓮が残してくれた言葉と事績から、自分なりに心の不安と危機に対処するための手がかりを得たように思います。
それにしても、なぜ、日蓮は身の危険をおかしてまで法華経の弘布につとめたのでしょうか。そこには、人を愛し、世を憂う純粋でひたむきな慈悲の念が強く燃えていたのです。 (「あとがき」より抜粋)
序章 日蓮への私の旅
1章 闇夜にたどる日蓮への道
2章 いうにかいなき凡夫なれども
3章 見近に、ひたすら分かりやすく
4章 浄土を外に求めるな、ここが浄土だ
5章 日蓮はどんな未来を信じたのか
6章 今に生きる「生の哲学」を求めて