主役たちの人間ドラマはここから始まる!
吉良の後つぎ、お市の子ども、そして真田一族……
どんな時代のいかなる人物にスポットを当てようと、これまでどおりの通説、あたりまえの内容では、読者に喜んでいただけまい。そう考えて、私はつねに新しい視点、既存のものとはちがった筋立てにしようと心がけている。
本書では、さまざまな主役たちと、彼らがかかわった事件の"その後"を追跡しようとした。それは事件や物語が終わっても、歴史はなおもつづく――人間のドラマは終わらないからである。(「まえがき」より)
幾多の武勇伝を残して戦(いく)さ場に散った真田幸村と、天寿をまっとうし、禄(ろく)をふやして家名をたもちつづけた信幸。いずれが「士(もののふ)」とよぶにふさわしいか。故意に二手に分かれたかどうかは、わからない。しかし、信幸の"選択"が真田を維新まで存続させたのである。(本書・4章より)
「先の海戦の勝利は、わたくしの手柄ではありません。お父上…今は亡き小栗上野介忠順(ただまさ)どののおかげなのです」小栗の遺児を上座に坐らせ、ロシアのバルチック艦隊を打ち破った日本海海戦の英雄・東郷平八郎は、ふかぶかと頭をさげた。(本書・7章より)
赤穂浪士の吉良邸討入り、この事件を知らない日本人はいないだろう。しかし、浪士の切腹は有名だが、もう一方の主役である吉良家はどうなったのか、その後継者が諏訪湖のほとりで静かに逝ったことは、知られていない…。
本書の内容
1章 無言のうちに死んだ吉良上野介の後つぎ
2章 戦国の雄・村上水軍は、なぜ陸に上がったのか
3章 お市の方こそ、真の"戦国の覇者"であった
4章 なぜ、真田家は維新まで残れたか
5章 西郷隆盛は、橋本左内のどこに惚れたのか
6章 河合継之助は、どこに死に場所を求めたのか
7章 幕末の偉才・小栗忠順は、なぜ憎まれ役にされたのか
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