「裏切り」とは何だったのか!
十二使徒にはイエスの目的がわかっていたのだろうか
イエスにとってユダは裏切り者だったのか
『聖書』はミステリーである。
その隠された謎に挑む。
● 彼はなぜ新興宗教を興したのか
● 何を壊し、何を創りたかったのか
● 戦略的な意味があった「ヨハネの福音書」
● イエスの使徒は、なぜ十二人だったのか
たとえば欧米の映画を見れば出てくるキリスト教の儀式や慣習に興味を持ち、キリストの生誕とか、最後の晩餐とか、あるいは復活といったものの意味について、ちょっとした豆知識(トリビア)を仕入れたい、という読者も大歓迎である。
1章 キリスト教は新興宗教であった
2章 「イスラエルの民」とは何なのか
3章 イエスはなぜ新たな宗教を興したのか
4章 四つの福音書から伝えられる真実とは何か
5章 イエスの使徒はなぜ十二人なのか
6章 「最後の晩餐」に隠された愛弟子の順位
7章 イエスにとってユダは「裏切り者」だったのか
8章 イエスとは何者だったのか
9章 十字架上の死の意味とは何か
イエスが死にいたった経緯を語る文章は『新約聖書』に収められた四つの福音書しかない。いまから半世紀前にナイル川の砂の下から発見された外典『トマスによる福音書』や、ほぼ同じ頃に死海の近くの洞窟で発見された『死海文書』を加えても、資料は限られている。
しかし、限られた材料を集めて推理することには知的なスリルがある。カギを握るのは、ユダと呼ばれる使徒である。教団の財政を担当し、明らかにナンバー2の地位にあったこの人物が、なぜイエスを裏切ることになったのか。
(「まえがき」より)