人権のない御一家を弄(もてあそ)んでいるのは国民だ!
「お世継ぎ問題」の核心となる法律(典範)を誰が、どう変えるつもりなのか――
<天皇は日本国の象徴だ。つまり日本人の生活の変化とも対応している。それなのに、日本人の生活観、家庭観からかけ離れた旧態依然とした価値観を、皇室にだけは押しつけている>(鈴木邦男・本文より)
<本書の内容>
1 現代の皇室問題と「皇室典範」
2 「皇室典範」を読む
3 明治以前の皇位継承と八人十代の女帝
4 旧「皇室典範」の成立過程
5 原「皇室典範」の成立過程
6 海外の皇位継承
7 新「皇室典範」と皇位継承のゆくえ
8 日本国憲法と象徴天皇制
■もっと自由を!天皇家を縛る『典範』とは何なのか
「女帝を認めるべきだ」「否、天皇は男系男子でなくてはならない」皇位継承をめぐって百出する議論を眺めて著者・鈴木邦男は思う。それが善意や好意から出た愛国者による提言であっても、この過熱ぶりは当事者(天皇家)にとって、もはや<脅迫>ではないかと。<日本人の生活観、家庭観からかけ離れた旧態依然とした価値観を皇室だけには押しつけている>(本文より)。そして、どの意見を採ろうと、天皇・皇室を規定する法律『皇室典範』を改変しない限り、遠からず「天皇」は絶える。ならば、その『典範』とは何なのか。何が書かれているのか。いつ、どのように作られたのか――。本書は『皇室典範』とその歴史的背景を著者とともに読み解き、「天皇」の将来をさぐる。はたして、鈴木邦男氏の結論は?