志摩半島英虞湾に“悪”が売物の作家袴田啓二郎(はかまだけいじろう)の他殺死体が浮かんだ。所轄の鳥羽署は,彼が失踪前後に掛けていた不審な電話から,黒い交友関係に絡むものと捜査を開始した。一方,美少女海女の取材で同地を訪れていた名探偵(ルポライター)浅見光彦(あさみみつひこ)も事件を知り,調査に乗り出した。だが,袴田の電話相手は杳としてわからず,やがて第2の殺人が発生した。真珠の海を血に染めた事件の真相は? 2つの殺人事件の関連は? 人気絶好調の著者が,早春の志摩,東京,三陸を結んで描く本格旅情推理の傑作!