〈大化改新の立役者・天智(てんじ)天皇は,弟天武(てんむ)天皇によって暗殺された!〉『日本書紀』で病死と記される天智と壬申(じんしん)の乱後,正当に皇位を継いだ天武―それが歴史の定説である。だが,史書『扶桑略記(ふそうりゃっき)』では“天智消失説”。書記に遅れること四〇〇年,個人の手に依る史料としてそれは無視されてきた。しかし,もし正史が暗殺者による自己正当書であり,さらに天智・天武が兄弟でなかったならば……。数々の問題作を発表し続ける著者が実在の史料をもとに,天智天皇暗殺説に挑む衝撃の歴史推理!