天慶三年(940)、朝廷では藤原北家の栄華が続く一方、暗部では権謀術数が渦巻いていた。摂政忠平の跡目を狙う二男師輔(もろすけ)は、朱雀帝の弟成明(なりあきら)親王と娘安子との婚儀を謀り、対して、忠平の弟顕忠(あきただ)は、代明(よあきら)親王の東宮(皇太子)冊立を策し、陰陽師蘆屋道満(あしやのどうまん)と手を結んだ。折しも、成明の姿が逢魔が刻に消えた。平安京の安寧と政刷新を希う晴明の仕業だった…。道満や物怪の魔手から、成明と朝廷を護らんとする晴明の凄絶な死闘の成否は? 平安王朝に描く壮大妖美な伝奇ロマン書下ろし傑作!