伝奇スペクタクルロマン 第2弾!
怪異にして妖美な平安絵巻 若き親王の恋と危機
〈著者のことば〉平安中期、朱雀帝の御世(みよ)、絢爛たる王朝絵巻の背後にひろがる濃く深い闇、その闇の隠微で湿潤な襞のかげにうごめく悪鬼、邪霊、魑魅魍魎…。
東宮位(皇太子)をめぐって聖と邪の凄絶な暗闘が展開される。安倍晴明(あべのせいめい)はじめ、泥ノ法師、熊野房魁深(くまのぼうかいしん)ら土御門神道の面々が成明親王を護って、蘆屋道満ひきいる妖魔の群れに敢然と立ち向かう。
安倍晴明の霊力が紫電の稲妻となって平安京の闇にひらめき奔る。
安倍晴明、成明親王を軸として、悪霊、鬼畜、復讐鬼、美女、陰陽師、剛の者、怪僧らが平安期を舞台にくりひろげる怪異にして妖美な伝奇スペクタクルロマンをどうぞ存分にお楽しみください。
平安京の安寧と政刷新のため、帝にふさわしい成明親王を東宮位(皇太子)に就ける──それが安倍晴明の希(ねが)いだった。その成明には祐姫との恋に陥ちるとともに、書聖小野道風の許で勉学に励んでいた。だが、成明と随身惟宗将人(これむねのまさと)を敵と狙う妖婦朱貴児が、復讐の機会を窺い、さらには代明(よあきら)親王擁立を図る中納言顕忠(あきただ)が、蘆屋道満と手を結び、成明呪詛を画していた…。怨霊うごめく平安京の闇の中、晴明は成明をいかにして毒牙から護るのか!? 壮大妖美な伝奇ロマンの書下ろし第二弾!