祝・推理作家協会賞受賞
これが伝説の本格ミステリだ!
人気作家の死と〈京都〉をめぐる謎とは?
「艶にして妖なる幻の色目」
作家・皆川博子氏激賞!
「ここは鬼の都やのン。都にこだわり続けるあさましい鬼がいてるのン」京都ものの小説で愛読者を持つ藤原花奈女が謎の言葉を遺して自殺した。遺骨(なきがら)は、華やかな朱の小袖に覆われていた …。花奈女は、〈ミヤコ〉という人物に次作の構想を酷評され、絶望していたという。設定を矛盾させてしまう「京都の秘密」とは何か? 花奈女の死後も呪詛をこめた手紙を送り続ける〈ミヤコ〉の正体は? 真相を追う女子大生吉田優希の眼前で、怪事件が連続した …。幻想と論理を綺羅に織る、伝説の長編本格推理!
艶にして妖なる幻の色目を創出 作家・皆川博子
本格ミステリのもつ様式美を能の様式美にかさね、菅浩江さんは、艶にして妖なる幻の色目を創出されました。
能は静謐であるからこそ、うちに凄まじい思いを秘めています。
美しい女性の死にまつわる不可解な謎は、京という都が奥深く秘める謎、人の心の繊細な謎とともに、論理的に解きほぐされますが、それでもなお、読者の脳裏には、濃密な幻景が、消えることなく刻まれつづけることでしょう。