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弔い屋
トムライヤ
著者名 本間香一郎
在庫なし

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ISBNコード 4396207271
判型/頁 新書判/264頁
価格 922円(税込)
発売日 2001/10/26

新直木賞作家・藤田宜永氏、拍手喝采!
「ねばりがある。腰が据わっている。
これは、一筋縄ではいかない作家の登場だ!」
封印していた男の怒りが京の街で爆ぜた!

京都にはハードボイルドがよく似合う 作家・藤田宜永
 京都はハードボイルドの世界に合わない街なのか。それは大いなる誤解だ。雅な世界の裏側にこそ、光を避ける人間が暗躍しているものである。祇園界隈には老舗のお茶屋だけが軒を並べているわけではない。ちょっと奥に入ると、迷路のような路地が拡がり、胡散臭そうなニオイが漂っている。京都は奥が深いのだ。
 本書も、多くのハードボイルド小説同様、乾いた文体で、スピーディーに物語を展開させている。しかし、本間香一郎氏の文体は乾いているだけに留まらない。ねばりがある。腰が据わっている。それは、人生経験から作者が自然に会得したものに違いない。一筋縄ではいかない京都を舞台にする、一筋縄ではいかない作家の登場に拍手を送りたい。

〈あとは余生を食いつぶすだけだ──〉闇社会での凄絶な日々、そしてその報いで母を狂い死にさせてしまった神井政史(カムイ)は、生きる力を喪失し、ペットの葬儀屋を生業としていた。そのカムイの前に現れた男たち。彼らは、葬儀のビデオ・テープが欲しいという。喫茶店経営者の愛犬の葬儀を撮影したビデオをなぜ欲しがるのか? 直後、カムイの旧友・柳川武司から連絡が入る。関東の暴力組織幹部となった柳川までもがビデオを譲ってほしいという…。男の再生を精緻に描く傑作ハードボイルド誕生!