〈新宿〉に白雪が舞い降りた日。ヒマラヤの氷河上で起きたジェット旅客機の墜落事故が、〈区内〉に大事件を持ち込んだ。積載していた特殊な弾頭が、地球の守護の花"マリファサ・ルピナ"を直撃したのだ。一週間以内に新しい花を埋め直さなければ世界は破滅する。──遥かインドの地からの訪問者が、秋ふゆはるに花捜しを依頼した。が、〈亀裂〉にその花を求めた矢先、メフィストの仇敵・ゲニヤン老師がそれを阻止しようと画策を始めた! 世界の命運を託されたふゆはるの運命は?
〈著者のことば〉
早くも「魔界都市ノワール」──というか「ふゆはる君シリーズ」というか──第二弾の登場である。
この花屋さんの物語に手を染めて以降、作者は花屋と見ると、商品名をメモする癖がついてしまった。我ながら、入れこんでいるなあと感心する。
当然、それは登場人物たちの個性や行動に乗り移っているはずだ。後は読者に入れこんでいただくだけである。