J・D(ディクスン)・カーも草葉の陰で膝をうつ、
これぞ本格ミステリー!
どこか頼りない、でも、やっぱりすごい
博覧強記の超天才推理!
<鳥の羽ばたき音とともに、女の幽霊が現れる──>。後見人捜しの旅を続ける天地龍之介(あまちりゅうのすけ)が乗り込んだ貨物船には不気味な怪談が広まっていた。震え上がる龍之介を笑っていた従兄弟の光章(みつあき)は、その夜、奇怪な幽霊船に遭遇、失神する。気が付くと、船内はエメラルドのネックレス盗難事件で大騒動に。しかも、現場に残された指紋は龍之介のもので…!? "知能指数一九〇、生活能力ゼロ"の名探偵・龍之介はこのピンチをどう切り抜けるのか? 爽やかなユーモアで好評のシリーズ第2弾!
〈著者のことば〉世は荒々しい混沌に満ちているようですが、こんな時こそ、気分をほぐす読書もいいのでは? シンプルなものを信じてもいいのでは? 自分の中にあるささやかな善意や、子供のような希望を。
龍之介達が見せてくれるのは、シンプルなところに立ち返ったミステリーです。ただし、その舞台は豊富。そして考えてみると、自然が重要な背景になっていることが多い。海、川、森。そこから顔を見せるのは、純粋に明朗なエンターテインメントです。