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長編本格推理書下ろし
紅の悲劇
ベニノヒゲキ
著者名 太田忠司
在庫なし

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ISBNコード 4396207395
判型/頁 新書判/288頁
価格 922円(税込)
発売日 2002/06/13

名探偵・霞田志郎シリーズ待望の最新長編!
死体の女たちはなぜ「紅(べに)」で飾られる?

白い乳房の、その頂きから麓にかけ、赤い水脈が流れていた――日舞紅真(べにま)会の発表会楽屋で、師範の田嶋紅真が絞殺された。襦袢と唇と、首を絞めた紐。死体を赤く彩られた紅真の周辺では、男女の愛憎が激しく錯綜していた。さらに、真相を追う作家探偵霞田志郎を嘲笑うかのように、活躍中の弟子紅里(べにさと)が酷似した状況で殺される。誰が、なぜ死体の女たちを「紅」で飾るのか?そして伝説の名探偵で警察OBの“男爵(バロン)”こと桐原が捜査に介入する目的は何か? 人気本格推理シリーズ、待望の最新作!

<著者のことば>
化粧はもともと呪術的な意味合いを持っているものでした。身体に様々な色を施し、神へと繋がる強い力を得ようとする。この風習は世界のどの民族にもありました。 そのなかで古代の人々が最も尊んでいたのは赤でした。赤は血の色、太陽の色、すなわち生命の色です。現在でも女性が紅を差すのは、顔に生き生きとした表情を加えるため、つまり生命を吹き込むためです。紅は、命をもたらす色なのです。 しかしここに、紅を死の象徴として操る者が現われました。 今回霞田(かすみだ)兄妹が立ち向かうのは、紅に彩られた死の謎です。