「圧倒的スケールとマクロの視野!」
森村誠一氏 驚嘆!
義賊、魔都の顔役、秘密結社…
紫禁城財宝の争奪戦!
日中戦争最中の昭和十四年暮れ、上海裏社会のボス張(ちょう)に一泡吹かすべく、愛人優蝶(ゆうちょう)誘拐に向かった日本人義賊白龍の前に、黒衣の男後藤が出現、妾宅(しょうたく)から一冊の本を持ち去った。憲兵隊、軍閥、ユダヤ財閥までもが狙う書物『金記奇誦(きんききず)』とは?白龍はロシア美少女ソニアと共に、その秘密を追って魔都上海を駆ける。男装の麗人、秘密結社も乗り出し、幾多の死を呼ぶ忌まわしき書には、紫禁城財宝の謎が隠されていた…。二転三転の争奪戦、その意外な結末は? 大型新鋭が満を持して放つ会心傑作!
「息もつかせぬ展開と手に汗握る攻防」大型新鋭の収穫! 森村誠一
一冊、数巻の文書に大藩(たいはん)や国の興亡に関わる秘密が隠されている設定は、『鳴門秘帖』や『柳生武芸帳』などに先例があるが、この作品は日中戦争中の中国上海を舞台に義賊、軍閥、財閥、裏社会(アンダーグラウンド)のボス、日本軍憲兵隊、秘密結社などが入り乱れ、紫禁城(しきんじょう)の財宝の隠し場所を秘めた禁書『金記奇誦(きんききず)』の争奪戦を繰り広げる。魅力ある登場人物(キャラ)の多彩さ、時代設定の妙、圧倒的なグローバルスケール、マクロの視野で照射した歴史の暗黒、息もつかせぬ展開と手に汗握る攻防は諸先行作品を悉(ことごと)く霞(かす)ませてしまった。まさにエンターテインメントの極致を行く驚異の大型新鋭の傑作である。