血沸き肉躍る“真田十勇士”の異色意欲作!
「荒唐無稽の面白さ!」
文芸評論家・末國善己(解説より)
伝奇に新しい息吹を吹き込んだ挑戦作 末國善己(文芸評論家)
どんでん返しに次ぐどんでん返し、予想すら出来ないエピソードが連続していることだけは、断言しておきたい。ここには荒唐無稽の美学があり、フィクションの真髄がある。先人の遺産を踏まえた上で、それを自在に操る<物語の魔術師>の書いた小説がつまらないはずはないではないか。静かな幕引きと思いきや、後半に一波乱を仕組んだ「閉巻 秘史秘傳」を最高の「切れ場」と考え、まずは、この結末を純粋に楽しみたい。(解説より抜粋)
三つの燦星(きらぼし)が地上で出会う時、この世が混沌と化す―慶長一八年(一六一三)春、猿飛佐助は、徳川・豊臣両家の命運を決する秘密を記した「燦星秘傳(さんせいひでん)」受け取りのため、幕府金蔵番大久保長安館を訪れた。だが、佐助と同じ星を持つ柳生佐久夜(さくや)姫によって、その在り処を秘す茶入の片方を奪取された…。ここに、家康謀臣本多正純と林羅維山一派を加えた三つ巴の争奪戦が始まった。柳生に捕われた長安の真の意図とは?「燦星秘傳」の内容とは? また佐助の反撃は? 立川流密教、妖術、必殺剣、忍法入り乱れる痛快無比の娯楽傑作(エンターテインメント)誕生!