宮之原警部の推理が冴える!
遺跡・天白磐座(てんぱくいわくら)で絞殺された美人タレント――。
人気行事「姫様道中」の主役だった彼女がなぜ!?
遠州引佐(えんしゅういなさ)の遺跡・天白磐座で地元出身のタレント・牧山未来の絞殺体が発見された。未来は東海道の脇往還として大名家の姫様が利用したと言われる「姫街道」 に因んだ行事の主役に選ばれていた。現場で不審人物が目撃されていたが、警察は第一発見者の小田切諒輔を疑う。インターネットで知り合った諒輔とデート中に事件に遭遇した沢上静香は彼の無実を証明すべく名警部宮之原に捜査を依頼。だが、主役の選考に絡む怨恨、被害者の所属事務所との確執も浮上、事件は昏迷を深めていった…。
(著者のことば)東名高速道路で浜名湖を渡ったひとは、橋の北側にひっそりと静まり返っている美しい入江に気づかれたことと思う。あの人江が万葉集に歌われた引佐細江(いなさほそえ)。その人江の奥をとおる往還が姫街道。美しい風光と華やかな年中行事を材料に、しつとりした優雅なミステリーを書くつもりでいたのが、謎が謎を呼ぶダイナミックなストーリーになった。宮之原警部でしか解くことのできない難解な事件を、たっぷりと楽しんでください。