青春の犯罪に怯える3人の女
轢き逃げ 猫化現象 女子大生3人組 玉の輿結婚 臓器売買 金融会社強盗殺人事件 1億余のねこばば
一億円余の現金を眼の前にして魔が差した女子大生三人組――京子、圭子、雅江は、卒業旅行で古代異族の末裔の老女を秩父に訪ね一泊した。翌朝、老女は死んでおり、枕元の現金入り鞄をくすねるが、飼い猫に腕を引っ掻かれた。一方、その三日前、秩父市内の金融会社では強盗殺人事件が発生していた。一年後、主婦、ホステス、予備校教師となった三人だが、猫に受けた傷は塞がらず、顔と肉体に奇妙な猫化が進行。周囲には、隠蔽した過去との因縁を窺わせる人物たちが現われた…。青春の罪に怯える女たちを描く異色作!
<著者のことば>
楽しかるべき卒業旅行で一夜の宿を乞うた古代異族の末裔の老女が翌朝死に、枕元に残されていた一億円を横領した三人組女子大生を襲う恐怖体験。
「私たちは猫になりつつある」ことを知った三人をさらに巻き込む強盗殺人事件。恐怖の迷宮に迷い込んだ彼女らに脱出口はあるのか。青春の完全犯罪が崩れるとき、彼女らが鏡に見た影像は何であったか。あれは白昼の悪夢(ナイトメア)か。それとも青春の罪のツケか。