IQは高いけど、ハートは気弱な名探偵！
人気シリーズ初の長編書下ろし
遠く離れた二つの“閉ざされた空間”での殺人
そして、財産の在処（ありか）を示した“暗号パズル”の謎！

富豪・比留間三兄弟の長男・長一が運転する車が崖に転落、祖父の遺産を詐取した塩原三絵の行方を追い同乗していた天地龍之介と従兄弟の光章は山奥の小屋に避難した。救出を待つ中、長一の妻が殺害された。小屋の中に犯人が!?　不気味な夜が続くが、一方、比留間邸では、次男の光陽が墜落死し、三男の秘書・三絵の他殺体が発見される詐取事件を調査していた光章の恋人・一美も地下シェルターに閉じ込められ死の危機が迫っていた…。龍之介の頭脳はこのピンチをいかにして脱するのか!?

<著者のことば>
どんな難解な事件も単独犯が行なった、とする謎解きが、本格推理小説においては最も美しい形だとされています。しかし、この物語の方向性は、それとは違うと言っていいでしょう。共犯関係ではなく何人かの犯人がいて、幾つかの秘められた殺意が交錯し、そこから、大胆で特徴的な事件の絵柄が浮かびあがってきます。ちょうど、クロスワードパズルの解答のように。