人気絶頂の著者が描く傑作ロマン！
むせぶ官能、とろける純愛。ひとつになって、昇っていきたい…

<妻子ある人に真面目な付き合いが出来るのか>不倫の関係にある美保の親友・博子から詰め寄られた河村章一は応えに窮した。二人の「秘密の関係」を誰かに知ってもらいたいと、博子に会ったときのことだった。美保は河村を擁護して博子と言い争いになってしまう。やはり、公には受け容れられない関係なのか。好きだという気持だけで付き合っていてはいけないのか。河村は理解されない愛にせつなさを募らせていった……。「性」を通して女性への憧れと恐れを描いた傑作ロマン！

<著者のことば>
女性とつきあっていて、心底、安心しきれる瞬間というのは、実はとても少ないのではないでしょうか。
それが最愛の女性と思える相手であればあるほど、胸を締めつけられるような言いしれぬ不安がつきまとうものです。
女性がふとした時にみせるしぐさ、そしてさりげなく口をついてでる言葉。そうしたところに女性の心や気持ちが表れているものです。聞き過ごしたり見過ごしてしまいがちな、そんな言葉やしぐさを汲み取るようにして、わたしは短編小説を書き上げました。
きっとあなたの恋や純愛や性愛にも通じる短編があるでしょう。愉（たの）しみながら切実な思いに駆られてください。