興奮必死の第二弾!
「王道にして最先端。娯楽を超えた快楽!」
文芸評論家・細谷正充(解説より)
慶長十八年(1913)、真田幸村の密命を受けた猿飛佐助は、徳川の動きを掴もうと潜入した先で、奇妙な張型を手に入れる。それは妖教立川流性具“反り聖天(しょうでん)”であった。そこに記された「カムナヒ・ノ・ナカテ・ノ・アリカ」という暗号を解き立川流の秘法を手に入れるのは真田方か、林羅山・本多正純一派か、それとも怪僧天海・柳生宗矩一派か。佐助と新陰流の達人・柳生佐久夜姫との死闘中に現れた黄金に輝く怪人の正体とは? やがて佐助は魍魎(もうりょう)と化した徳川の旧重臣・大久保長安によって地底の黄金魔境に拉致された・・・。
<著者のことば>
これは「古くして新しい世界」です。ブリキの刀や手裏剣で戦った少年時代の夢の「世界」。千恵蔵や錦之助のチャンバラ映画の「世界」。歌舞伎の原色の絢爛を、講談の破天荒にとかしこんだ「世界」です。暗雲が都市(まち)を覆い、大乱の予感に人々の心が揺れる今だからこそ、時代は夢とロマンを必要としているのではないか。――そんな思いに衝き動かされて、<剣と忍術><幻妖怪異><伝奇ロマン>を、たっぷりとこの作品に封じ込めました。恋も冒険も妖物も、忍者も美女も悪党も、英雄も豪傑も邪術師(じゃじゅつし)も。ほんの少々ですが、お色気もございます。どうぞ、いっときパソコンを離れ、この――二十一世紀の伝奇時代小説にお付き合い下さい。