<大ヒットコミック原作、待望の最新刊!>
現代に甦った“鬼”VS.妖魔を退(しりぞ)ける美しき鍼師(はりし)
カバー&本文イラスト・斎藤 岬
巻末特別篇「夕映えの剣」収録
妖魔を退ける「退魔針(たいましん)」の遣(つか)い手、大摩流鍼灸術総師の大摩。九州で湯治の最中、彼は地元の名門・冬花(とうか)家の令嬢水月から悪霊退治を依頼された。生霊(いきりょう)に憑かれた母を救ってほしいという。だが同業の妖(あやかし)と共に屋敷に赴くと、待っていたのは外道の鍼師と忌み嫌われる鬼操陣吾(きそうじんご)だった。鬼を操る針を駆使する彼がなぜここに? 敵か見方か? やがて、鬼を支配してきた冬花家の歴史が明らかになり、千二百年の呪縛を解かんとする鬼たちが牙を剥いた! 退魔士と“鬼”との壮絶な戦いの行方は?
<著者のことば>
鬼はさして珍しい生き物ではない。何処にでもいる。ほら、そこにも。見えないだけだ。
「胸に手を当てて考えろ」――その言葉こそ、鬼の隠れ家を掘り出す唯一の手段を伝えているのである。そうとも。鬼はそこにいる。こんな身近に。私たちの胸の裡(うち)に。
『退魔針』の鍼師たちが闘う相手は、すなわち人間そのもの――自分自身なのだ。