猪瀬直樹氏 推薦!
「人物と時代を、これほど鮮明に浮き彫りにしてみせる著者の手腕には、素直に脱帽させられた」
戦争、殺戮、分裂の時代を超えて…
1962年、世界中が核戦争の恐怖に脅えたキューバ危機。66年から中国に吹き荒れた文化大革命。70年、敗戦からの奇跡の再生を示した大阪万博…。教科書ではわからない現代史の真の姿を、豊富なエピソードで描く歴史絵巻。
●秀逸な視点と巧みな遠近法 作家 猪瀬直樹
欧米の優れた歴史家やジャーナリストの叙述は、なぜかくも面白いのだろう。なかでもエイブラム・L・サッチャーの二十世紀の人と事件をグローバルな拡がりのなかでとらえる視点は秀逸である。絵画でいうところの遠近法が巧みに用いられているからで、とても読みやすい。単に読みやすいだけでなく、距離感がよく測られていると感心するが、書き手の頭が整理され、また正確だからであろう。日本人の歴史叙述に欠けているものがここにはすべて揃っている。学生や院生、若いジャーナリストはぜひ読んでほしい。