緊急書下ろし「米国同時多発テロの背景と日本の対応」を収録
これが「アメリカの正義」なのか?
500年のスパンで俯瞰して初めて見えてくる歴史の真実
世界の中の日本の位置を正確に見定める 明星大学教授 小堀桂一郎
現代国際社会の中での日本の位置を正確に見定めようと思ふ時、所謂(いわゆる)現代史だけを眺めたのでは必ず誤る。昭和三年以降の日本史の歩みを以てその測定を敢へてした所謂東京裁判史観が、この誤りの典型である。
東條英機大将は、アヘン戦争にまで遡って審理してみなければ現代史の審判は不可能だと、東京裁判の証言台で喝破した。その通りである。より正確には、国際社会の現在の構図を作り出した淵源(えんげん)としての十五世紀末葉にまで遡り、爾来(じらい)五百年の間に白人は世界に向って何をして来たのかと問ひつめなくては、現代史の真相は明らかにならない。清水馨八郎氏は、本書を以て、遂にその真相究明を成し遂げた。世界史を見る視点としては、これが最も正しいのである。
同時多発テロは、"侵略の世界史"の終わりの始まり──
明治以来、日本は欧米を文明先進国と崇(あが)め、非白人を歴史の表舞台に登場させることはなかった。そのため西欧の繁栄を支えた植民地支配の暗黒面を見落としてきた。本書は、白人の残虐性と侵略性の根源は何かを解明する。(「まえがき」より)