人を殺す悪路、水道水のない土地、動物のように放置される痛み、思考を遮る暑さ、同じ「餌」を食べ続ける人々…
かくも凄まじい自然、貧しい世界があったのか
しかし、私たちは、そこから出発したのだ
「人はすべて、自分の出発した地点を肝に銘じて明確に、常に覚えていなければならない。人は自分の暮らしの原型、出発した地点の風景を、常に心の視野のうちに納めて置くか、せめて知識としてでも知っていなければならない。目的地だけわかっているのではいけないのだ」――(本書より)
何の灯も目標物もない荒野や砂漠では、人は二つの光源を必要とすることを私はその時肝に銘じたのであった。一つは自分の出発した地点に置くためで、もう一つは今自分がいる足元を照らすためである。 (中略)
人はすべて、自分の出発した地点を肝に銘じて明確に、常に覚えていなければならない。人は自分の暮らしの原型、出発した地点の風景を、常に心の視野のうちに納めて置くか、せめて知識としてでも知っていなければならない。目的地だけわかっているのではいけないのだ。 本書より