危うし野晒唐十郎
馬庭念流、甲源一刀流、そして
さらなる必殺剣が中山道に鞘走る!
「こ、これは……」青白い光が唐十郎(とうじゅうろう)の目を射た。信州松田藩のお家騒動の発端となった妖刀・備前左文字清丸(びぜんさもんじきよまる)作「月華(げっか)」であった。刀を国許へ運ぶよう依頼された小宮山(こみやま)流居合の達人・狩谷(かりや)唐十郎は、密かに中山道へ旅立った。ところが、道中で襲い来る馬庭念(まにわねん)流、甲源一刀(こうげんいっとう)流、さらに謎の幻剣「飛龍の剣」が……! 乱歩賞作家が満を持して贈る、これぞ正統派剣豪小説!