独眼竜vs.老将
圧倒的な軍勢に真っ向立ち向かった、知られざる「北の関ヶ原」
「福島城には、本庄繁長(ほんじょうしげなが)を」直江兼続(なおえかねつぐ)が、その名を出したとたん、上杉景勝(うえすぎかげかつ)の顔が歪んだ。「裏切るぞ、あれは」――慶長五年(一六〇〇)、関ヶ原で東西両軍が激突した。その間隙を縫うように、東北の覇権を狙う伊達政宗(だてまさむね)が二万の兵を進める。福島城を守る上杉方は僅(わず)か四千。圧倒的不利の中、すでに老いさらばえ、しかも裏切りの常習者である本庄繁長は、いかにして戦うか!?