「私だけは信じてあげたいのです」
両国橋、姿見橋、永代橋…
情をもって剣をふるう江戸・橋づくし物語 第六弾!
「この世の中の、すべての人があの人をどう言おうと、私だけは信じてあげたいのです」組紐(くみひも)屋のお幸(さち)は盗賊の疑いをかけられた与七(よしち)をそう言ってかばった。十六年前、永代(えいたい)橋の崩落で両親を失い、心に深い傷を負ったお幸を癒(いや)したのが愛する与七だった。だが深まる疑惑に、橋廻り同心立花平七郎が心を鬼にする……。剣と情をもって正義を貫く、橋廻り同心シリーズ第六弾。