読者を、平凡な日常から離脱させずにおかない魔力を持つ作家だ
―――文芸評論家 三橋曉
恋愛小説ファン、必読!
注目の実力派作家が描く、せつない恋の物語
<騙(だま)されていることに気づいていた。でも、好きだったから>着物のセールスをしている西に惹(ひ)かれていった私は、彼の勧(すす)めで高額の着物を買い揃(そろ)えた。病的に厳しかった母を持ち、感情を密閉容器に封じたように育った私が、精一杯勇気を示した行動だった。しかし直後、彼は行方(ゆくえ)をくらませた…。(「密閉容器」より)
現代女性の心理の深奥(しんおう)にせつなく迫る、恋愛小説。