明治初期、岩倉具視をリーダーに大久保利通、伊藤博文ら「新生日本」のトップリーダーたちが、国のかたちを決めるべく米欧12カ国を1年9ヶ月あまりかけて見て回るという、世界的に類を見ない壮大な旅をやってのけた。これこそ日本近代化の原点となる旅だったのである。彼らは何を見、どう考え、明治国家に何をもたらしたのか。そして一行の足跡を辿ることで浮かび上がる、先進文明国の要人たちを驚嘆させた「堂々たる日本人」の姿。
歴史上あまり知られていない「岩倉使節団」の壮挙には、気概を失い卑屈になった現代日本人を蘇生させる啓示が溢れている。