奈良・京都の国宝美術
日本人が気づかなかった世界的価値
世界基準で見た奈良・京都の美術的価値とは
今日もたくさんの観光客が訪れる奈良・京都の寺々。だが、そこに残る文化財の多くが、世界美術史の中でも最高水準の傑作であることを意識する日本人は少ない。
本書では、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチをはじめとする数多くの論文で欧米の美術史学会に名を馳せた著者が、その眼力を駆使して、奈良・京都に残された文化遺産の美術的価値を、西洋美術史上の巨匠の作品とも対比させて厳しく鑑定。日本が誇りうる傑作中の傑作を選りすぐって紹介する。
従来の「古寺巡礼」書には見られなかった独自の新しい視点に貫かれた本書は、日本人に勇気と自信を与える一冊となっている。
日本が誇る世界第一級の名作たち
阿修羅にとどまらぬ天平の至宝(興福寺国宝館)
悲しみに泣き叫ぶ男たちの群像(法隆寺五重塔)
「考える人」のさきがけ、弥勒菩薩(中宮寺)
今、明らかにされる三月堂諸仏の作者名(東大寺)
「怒り」の天才・定慶の迫真のリアリズム(興福寺)
運慶の長男・湛慶による大傑作群(三十三間堂)
雲に乗って飛翔する五十二体の菩薩さち(平等院)