古典的名著、待望の再刊
組織とリーダーはいかにあるべきか
教訓の宝庫、史上最強の「集団組織」に学ぶ
「ドイツ参謀本部」とは
軍事史上、世界の国々の手本となったばかりでなく、近代における大規模組織の元祖とし
て、国家や大企業等にも大きな影響を与えた一大組織。プロイセン時代にナポレオン戦争
の過程で組織され、モルトケの時代に完成を見た。リーダーとスタッフの関係論として格
好の素材にあふれ、今日でも組織を論じる際の、教訓の宝庫である。
軍事音痴・日本国民、必読の書 長谷川慶太郎
よく指摘されることだが、「素人の知恵は不勉強な専門家にまさる」。その典型的な実例が本書である。英文学を専門としている著者が、ドイツ留学当時に経験した「軍事」を重視するドイツ人社会の雰囲気に刺激されて、軍事とはまったく異なる視点に立っての研究、それはもちろん「素人の知恵」の産物だが、類書のない優れた内容である。私も著者と同じく「軍事」に興味を持つ人間の一人だが、本書を一読してその視点の高さに敬服した。ドイツ参謀本部は十九世紀に人類の産んだ成果のひとつといっても、けっして過言ではない。「軍の頭脳」である参謀本部の「原型」を理解するのに、本書にまさる書物はない。「軍事音痴」と非難される日本国民の必読書の筆頭に挙げたい