96歳を迎える泰道師「最後の著書」
釈尊の老いと臨終に学ぶ
永遠の名著『般若心経入門』から30年余年、著者自ら「この本が、私の手書きの本の最後」と語る感動作
釈尊の晩年の生き方と最後の教えを、『涅槃経』から読みとき、その智慧に学ぶ
老いや死と向かい合って生きる智慧 著者のことば
私は今年で九十六歳を迎え、釈尊がお亡くなりになった八十歳を、年齢の点だけでは上回ってしまいました。そんなあるとき「釈尊の晩年とその入滅の場面に焦点をあてて、高齢者のために、老いや死と向かい合って生きるヒントを」とのお誘いをいただいて、書き始めたのがこの本書です。
この本で、老病死苦や、だれもが味わう晩年の悲劇を、釈尊もまた経験したことを知って、読者のみなさんの持つ同じ苦悩をやわらげていただきたいと願っております。
私の心の杖(つえ)ことばは、“生涯修行 臨終定年”ですが、私の“定年”も刻々と迫ってまいります。おそらくこの拙著が、私の手書きの著書の最終になると存じます。