5月7日(土)NHKスペシャル『望郷』で放映
半藤一利氏推薦
「感動的、ソ連抑留の異色ドキュメント」
酷寒の捕虜収容所で、
友情を結んだ一人のルーマニア人捕虜。
別れにあたって彼は、私に一個の指輪を託した。
「もし、生きて帰れることがあったら、祖国の婚約者に届けて欲しい」との言葉と共に。それから半世紀、私はついに彼の消息をつかんだ。
だが……
巻をおいたとき、しばし瞑目 作家 半藤一利(はんどうかずとし)
感動的な、ヒューマニティーにみちたソ連抑留の異色ドキュメントである。日本人捕虜とルーマニア人捕虜との、人種や国境を超越したラーゲリでの交流そのことが驚きである上に、二万キロという空間と、半世紀の時を超えての再会、まさに「事実は小説よりも奇なり」そのものである。
さらに最後に明かされる「指輪の真実」には圧倒され、人を翻弄する歴史や運命というものの苛酷さに、巻をおいたとき、しばし瞑想せざるをえなかった。