たしかにあの人は
「いい人」なんだろうけど……。
ときに悪意よりも恐ろしい、善意の人との疲れない〈つきあい方〉
<人と接するのが待ち遠しくなる!>
1 善意は何をもたらすか
2 「知らない」ことの不幸
3 不完全のすすめ
4 矛盾を抱えてこそ人生
5 どうすれば自分を失わないでいられるか
6 図(はか)らずも心が救われるとき
7 傷ついた人にしかわからないことがある
8 生きることの厳しさを教えられる親になるために
善意の人々は、自分の好み、自分の思想、が正しいのだから、それは世間にとってもいいことだ、と疑ったこともない。たとえ正しいことでも、世間では、その正しさが相手を苦しめることもあるなどとは夢想だにしないのである。もちろん家族や世間を困らせるのは、いわゆる犯罪であり、悪意や憎悪である。しかし善意もまた、時には油断がならない。
本書「まえがき」より