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黄金回廊
オウゴンカイロウ
著者名 中津文彦
在庫なし

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ISBNコード 4396631812
判型/頁 四六判/336頁
価格 1,980円(税込)
発売日 2000/11/30

乱歩賞『黄金流砂』から18年、著者渾身の姉妹編誕生!
<殺人=暗号=黄金伝説>
これぞ中津ミステリーの金字塔!
─傑作歴史推理、待望の書下ろし─

<大坂夏ノ陣目前、徳川(とくがわ)方に付く古田織部(ふるたおりべ)は、豊臣秀頼(とよとみひでより)の小姓(こしょう)を務める息子への情愛断(た)ちがたく、密かな救出工作を開始した。だが、それは敵方への内通とみなされ、織部切腹の端緒となった>─織部の死の謎に新説を唱(とな)えた歴史小説家の鯨岡靖(くじらおかやすし)が大阪で撲殺(ぼくさつ)され、続いて織部研究家の茶匠・杉浦宗洸(すぎうらそうこう)も絞殺された。一方、キリシタン史専攻の大学助教授・片桐謙一郎(かたぎりけんいちろう)が東北へ旅立ったまま失踪し、彼の目的地と思われる岩手県大船渡(おおふなと)の寺で、「OUROEZ」と台石に刻まれた織部風キリシタン灯籠(どうろう)が発見された…。当初無関係に見えた事件群は、やがて縒(よ)り合わさり、そこに意外な埋蔵金伝説が浮上した! 乱歩賞受賞作『黄金流砂』をしのぐ新たな趣向と情熱を込めて書下ろした<殺人=暗号=黄金>の傑作歴史推理!

「ここにも何か彫ってある」 台石の表面に眼を寄せた奥村が呟き、志穂子が顔を寄せた。 「これって、アルファベット?」 「そうらしい!」 「そうね。O、U 、R、O─。それから、E、Zとなるのかしら」 「2のようにも見えるし、縦に見ればNにも見えるけど」 「何なの、これ。どういう意味?」 「何だろう。もしかして、これは暗号かな」