サントリーミステリー大賞受賞の気鋭が放つ
書下ろし最新作!
友よ、娘よ、愛する女(ひと)よ…
慟哭(どうこく)の核(アトミック)サスペンス
一九八六年四月二十五日、ソ連・チェルノブイリ原発事故発生。
二〇〇X年、福井県で高速増殖炉『飛翔』が完成を目前にしていた─。
『飛翔』計画のリーダー嶋木は、警察庁の梶山に、十七年前に失踪した親友・西村の消息を訊問された。来日するロシア原子力視察団員のペトロビッチ博士こそ、西村だというのだ。嶋木の妻イレーナを奪って消えた西村が、今なぜ祖国へ帰るのか。そして警察に追われる理由とは何か? やがて来日科学者の突然死、『飛翔』用プルトニウム強奪計画の噂、ロシア軍流出武器を使う暴力団抗争の続発、視察団員の大量失踪─不審な事件が連鎖し、嶋木が愛する者たちにも危機が迫る! そして浮上した悪夢の計画。それは人類の未来を揺るがす巨大な陰謀だった…。サントリーミステリー大賞受賞の気鋭が書下ろした迫真の超級サスペンス!
pluton(プルトーン):
ギリシャ・ローマ神話で、地下世界の支配者にして、死者たちの王。ゼウスの兄でプルートー、ハデスともいう。本来は富や豊かなものを意味する名前だが、太陽系最外周の惑星である冥王星および、高速増殖炉の核燃料などで知られる放射性元素プルトニウムの語源となった。